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家づくりコラム大切な家族(ペット)に長生きしてもらえる家造り

こんにちは、ダイシンビルドWEBスタッフの後藤です。
突然ですが最近弊社では、ペットと暮らしやすい家、ペットありきの家についてご相談いただくことが増えてきました。
弊社スタッフ2名(うち1名は筆者です)が猫を飼っているため、猫トークで盛り上がることが多く、ペットと言うと「猫」のイメージが強いのですが、今回は猫も犬も含めてすべてのペットを対象に、「ペットありきの家」についてお伝えいたします。

そもそもペットとは

正直、「ペット」と言われるのも不愉快だと思われる方の方が多いのではないかと思うほど、大切でかわいくて、癒しの全てを担ってくれていると言っても過言では無い存在が「ペット」です。
そんな「ペット」という言葉、別の言い方で「愛玩動物」なんて言われたりもしますが、実はペットの意味は「愛玩動物」とは全く違うというのはご存じでしょうか?

元々「ペット」という言葉にはいくつかの説があるのですが、小さな存在を指す言葉「petty」と、撫でるという意味を持つ「petting」からきているという説が有力です。
どちらも非常に意味が分かりやすく、納得できる気がします。
ペットは基本的に可愛くて撫でたくて、顔を丸ごと埋め吸いたくなる欲求に逆らうのが難しい存在ですからね。

ただ、語源が分かったからと言って、「ペット」と言われて納得いくか、不愉快にならないかと言われるとそれは別の話となるのですが、今回は特定の種ではなくすべての愛する家族を対象としたいため、「ペット」でまとめさせていただきます。
※ただし、当コラムでは犬猫をメインとさせていただきます。

ペットありきの家ってどんな家?

ペットありきの家というと、キャットウォークが作り付けられていたり、専用のトイレスペースが確保されていたり、散歩後に手足を気持ちよく洗える洗い場があるような家を想像されるのではないでしょうか。
確かに、そういった家も「ペットありきの家」ではあると思いますが、弊社が考えるペットありきの家は、ペットが一日でも長く生きてくれる家を指しています。

理由は、キャットウォークも、トイレスペースも、洗い場も。
後付けできるものであり、長生きには大きく作用しないと考えているからです。
それよりも大切で重要なのは、事故が起きない環境をプランニングし、小さな体に負担の無い、その体に適した温熱環境を整え、ランニングコストを抑えられる(電気代があまりかからない)家こそが「ペットありきの家」だと考えています。

一日でも長く生きてほしいからできること

まず、ペットの死亡理由はほぼ病気です。
犬も猫も昔に比べると長生きしてくれるようになりました。
とても嬉しいことですが、犬の死因ランキングを順番に見てみると、1位:がん、2位:心臓病、3位:腎不全、猫の死因ランキングは1位:がん、2位:腎不全、3位:猫伝染腹膜炎となっており、どちらも病が死亡理由となっています。
病は飼い主がいくら気を付けていてもどうしようも無いことの方がほとんどです。
猫に至っては理由の3位はそれこそ生まれたときから持っていた病ということも多く、なかなか防ぐ手立てが無いのが実情です。

※動物保険調べ

正直、命あるものである以上病は避けられません。
いくら健康的な生活を送っていても明日が分からないのは、ペットだけでなく人間も同様です。
しかし、「事故」はどうでしょうか。
ペットの場合、家から出てしまったり、異物を誤嚥してしまったり。
人間からするとちょっとしたことでも、「命を奪う事故」になりかねません。

そんな事故の中でも、これからの季節激増するのが「熱中症」です。
熱中症とは暑い環境で生じる健康障害の総称で、熱失神・熱痙攣・熱疲労・熱射病を指します。
どの症状もすべての命に等しく危険を伴っているので、暑い時期には常に注意が必要であり、自分では環境を整えることができない「ペット」に対して、熱中症にさせない環境を整えることは飼い主が負うべき責任の1つです。

ペットは人間よりも熱中症になりやすい

ペットとして思い浮かべる動物は、ほぼ毛におおわれていると言っても過言では無いのではないでしょうか。
もちろん、蛇を始めとした美しい爬虫類や華やかな熱帯魚を飼育されている方もいらっしゃるかと思いますが、一般的にペットと言えば犬や猫、ウサギ、ハムスターなんかのモフモフした生きものを想像されるかと思います。
もふもふした毛は癒し効果抜群で、「お願いだからちょっと吸わせて」と、お腹に顔をうずめたり、お尻の可愛さを愛でたりしますが、どこからどう見ても暖かそうと感じることはあっても涼しそうと思うことは一年を通してありません。

その上、人は汗をかくことで体内の熱を外に逃がし、体温を調節しますが、犬や猫やウサギを代表とする毛に覆われた生きものは汗をほとんどかきません。
理由は、足の裏の肉球が唯一汗が出る場所だからです。
あれほどの毛でおおわれているにもかかわらず、『汗がかけない』のがもふもふの生き物の性質なのです。
「全身が毛に覆われている」「汗腺がほぼ無い」という2点だけを考えてみても、動物が人よりも熱中症になりやすいのは想像に容易いのではないでしょうか。

熱中症の恐ろしさ

5月頭から懸念される熱中症は先ほどもお伝えした通り人にとって非常に恐ろしい病ですが、犬が熱中症にかかった場合の死亡率は優に50%を超え、受診後24時間以内に死亡しているという悲しい事実があります。
オオカミを祖先に持つ犬は、寒さには強くても暑さには弱い生き物です。
特に、ゴールデンレトリーバーやラブラドールのような大型犬、シーズーやパグ、フレンチブルドッグのような鼻の低い「短頭種」と呼ばれる犬種、ダックスフンドやコーギーのような短足の犬種は特にリスクが高く、動物病院や動物保険で注意喚起や、専用の予報が発信されるほどです。

下記のグラフは、ペット保険「アニコム損保」が発表している熱中症の月別診療件数です。

先にお伝えした死亡率を考えると、非常に胸が痛くなる数字であり、自身のペット(我が家にはめちゃくちゃ可愛いキジ猫がいます。息子の学校前でふるえていたところを連れ帰りました)に置き換えた場合、さらにその悲惨さがお分かりいただけるのではないでしょうか。

※拾った日、お風呂に入れた直後の姿

電気だけに頼った温度の維持は難しい

私の家の近所で起きたとても悲しいエピソードを一つご紹介させていただきます。

夏の暑い日、ゲリラ豪雨が一帯を襲い、雷がいくつも周辺に落ちました。
私も仕事をしていたパソコンをいったん落とし、落雷に備えていたところ、一瞬、停電が起きました。
本当に瞬き程度の時間だったので、私は「パソコン落としててよかったわー」と思いつつ、「雷怖かったねー」と、雷におびえ耳を倒している愛猫をもふり(なでたり顔を埋めること)ながらエアコンを再度付けたのですが、同じタイミングに近所ではとても悲しいことが起こり始めていたのです。
多分、このコラムをご覧になられている方の中には、結末が見え、ブラウザを閉じられようとされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大切なペットに最適な温度を保つために締め切った室内のエアコンが停電で切れ、切れたまま温度と湿度がどんどん上がっていく空間。
飼い主にとって全くの不可抗力であり、それこそ仕事中では、自宅付近に大雨が降り、雷が落ちて一瞬停電していたということを把握することは不可能と言えます。
でも、不可抗力だった、事故だと分かっていても、自分を責めることがやめられず、つらく悲しい思い出となった家を手放された方がいらっしゃいました。

昨日と同じようにエアコンを入れ、水もしっかり用意し、快適な空間を作り上げていたのに起こった悲しい出来事は、どうやったら防げたのか。
その答えは、家の性能にあると私たちは考えています。

電化製品だけに頼る温度管理ではなく、家の性能で温度を維持するということ。
一部屋に1台のエアコンが必要であった昔の家の場合、ペットの熱中症を防ごうとすると、部屋を閉め切る必要がありました。
理由は、決して閉じ込めることが目的ではなく、適温を維持した空間からペットが移動して熱中症になってしまうのを防ぐためです。
しかし、そういった家はエアコンが切れてしまうとすぐに蒸し風呂状態になってしまうことを覚えてらっしゃる方はまだまだ多いし、私のように今の住まいがそれです!という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな家しか選択肢が無かった昔とは違い、高断熱住宅が新築の標準となりつつある現代、快適な空間を維持するために部屋を閉め切る必要は無くなりました。
家の中全体の移動が可能となっている家なら、万が一エアコンが切れてしまったとしても、ペットは家の中で少しでも涼しい場所を探して移動することができます。
さらに、高断熱住宅ならエアコンが切れても急激に温度が上がることはありません。
今はスマホで操作できるエアコンも豊富にありますが、停電が一瞬で終わるとは限りません。
そのため、電気に頼らなくても数時間なら全く問題の無い本物の高断熱住宅は、大切なペットの熱中症対策に最適であり、「ペットありきの家」として最重要設備こそ断熱だと考えているのです。

温度と命の関係性

ここまでは熱中症に関してお伝えしましたが、温度が命に作用するのは熱中症だけではありません。
人間を含めすべての生きものに最適な温度があり、熱帯魚や爬虫類はより顕著です。

そして、最適な温度には決まった温度は無く、「そこで暮らす生き物」にとって「体に負担がかからない温度」を指します。
例えば5月病。 「何らかの事柄を成し遂げた結果、気が抜けている」とか、「新生活の変化で体が疲れている状態」と言われることが多々ありますが、違います。
春は気温の変化が大きく、暑い日と寒い日を行き来するのはもちろん、一日の中でも20度以上の気温差がある日も度々あるため、自律神経がくるってしまうことが原因だということが判っています。

動物は元々不衛生なところに生息していることが多く、野良猫ならごみを漁って食べる、汚い水を飲むなど、人間ではすぐに体調を崩してしまうような生き方をしています。
そのため、人よりも強い生き物と勘違いされがちですが、動物も人と同じように、気温差に疲れ体調を崩します。

ヒートショックという言葉がある通り、気温差が体に与える影響が大きいということはすでによく知られたことですが、お年寄りに多い印象があるため、将来必要となる寒暖差対策として高断熱住宅を建てておく方が良いと、判断される方は限られているのが現実です。

確かに、人の寿命は長く、家を建てる時に年老いたときの寒暖差を想像しながら家づくりを計画しろというのは、予算が限られている分非常に難しいと思います。
でも、ペットは人よりも早く年をとります。
あっという間に子供の年齢も飼い主の年齢も追い抜いていきます。
若い時はもちろんの事、年老いて体力や免疫が落ちてきた時も温度に苦しめられることの無い家こそ「ペットありきの家」なのではないでしょうか。

まとめ

今回のコラムでは「ペットありきの家」についてお伝えさせていただいたのですが、あれ?という声が聞こえてきそうなほど、弊社の家造りそのまま「高断熱高気密住宅」の話になりました。
どこが「ペットありき」となるのか、タイトル詐欺のようですが、過去には犬を2度飼い、今は猫を飼っている私は、愛猫のために本物の高断熱高気密住宅が欲しく土地探しをしています。
理由は、「防げたかもしれない事故」で愛猫を亡くすのは想像すらしたくなく、少しでも長生きしてそばにいてほしいからです。
ペットはたとえ大型犬、人より大きな犬であっても小さな命です。
意志をそのまま伝える言葉を持たず、自分では扉を開けて外に逃げ出すことすらできず、全ては人の思うがままの存在であり、ペットの命は人が作る環境に依存しています。

以前、お施主さんから愛猫が元気になったという喜びの声を聞かせてもらいました。
そのお施主さんのお家の猫ちゃんはすでにかなりの高齢で寝たきりだったのですが、弊社が建てさせていただいた家で暮らし始めたところ動き回るようになり、家のあらゆる場所で寝るようになってくれたというのです。
「今日は階段で寝てます、一番快適なところを知っているんですね」と言ってもらうことができ、とてもとても嬉しいと共に、非常にうらやましくなったお施主さんエピソードです。
家造りの現場に携わり続けて20年、弊社では10年を超えましたが、このエピソードを超えるほど羨ましくなったことはありませんし、今後も無いんだろうなと思う程、「大切な命」は替えがききません。

夏は熱中症、冬はヒートショックが人の命を脅かすように、温度というのは生きものにとって非常に大きな問題です。
本当に効果のある高断熱住宅は、目に見えない快適な温度を創るために、大きなお金がかかってしまうため後回しにされがちです。
見た目のおしゃれさ、部屋のデザイン、こだわりの家具と天秤にかけると、見ることも触ることもできない「性能」は敵わないことが多くあるのが現実です。
しかし、「いつの間にか健康に過ごせている」
「大切な存在がよぼよぼになりながらも側にいてくれる」ということ以上に価値があり高価なものって何だろうと、家づくりを検討中の方にはぜひ一度じっくり考えていただきたい。
それが、家づくりに携わる私たちの願いです。

そろそろ、熱中症アラートが作動する時期となりました。
近年は急激に気温が上がるため、人も汗をかく準備ができないまま暑さに晒されるようになり、熱中症のリスクがより高まっています。
クーラーの適切な使用を行い、人もペットも無事に今年の暑さも乗り切りたいものですね。

※写真は、爪切りが大好きな我が家の猫です。
爪切りを見ると飛んできますし、人が爪切りをしていると「早く私の爪を切れ」と怒ります。

後藤 泉


阪神淡路大震災で自宅が半壊。その後慌てて建て替えた家は、気になる箇所が多く、夏は暑く冬は寒い家でした。そんなことから住宅業界に興味を持ち、ダイシンビルドのWEBスタッフを務めさせていただくようになりました。どうぞよろしくお願いいたします。プロフィール写真は、我が家の愛猫です。