床下エアコンとはそもそもなんなんだ?
1.床下エアコンの始まり
床下エアコンを始めたきっかけは
生駒市で施工をさせて頂いた家で床下の鋼製束が錆びてると連絡をうけました
![床断熱施工例20191103の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/E035C691-CB56-4F23-AED2-1705EE785937.jpeg)
(シルバー色のが鋼製束になります)
その当時は基礎断熱ではなく床断熱で断熱施工をしてました
床下空間は外気が入る構造で床下は外部空間になってます
外気が入ってくるので冬場に冷やされた鋼製束が
キッチン、お風呂のお湯を排水するとその周辺が温まり鋼製束が結露しました
その際は樹脂束に交換をして結露がないようにさせて頂きました
鋼製束が結露をする
気密施工も難しいので床断熱から基礎断熱に仕様基準を変更しました
床断熱から基礎断熱に変更をすると床のすぐ下に断熱材がないため
少し床の表面温度が下がります
この床表面温度を下げない方法を色々と考えて床下エアコンを始めました
逆に床断熱をして樹脂束であれば問題はないです
リフォームで床下が完全に気密が取れない場合は床断熱を採用してます
2.床下エアコンの施工の注意点
2-1.基礎工事
基礎工事の際には風通しをよくします
基礎を考えるときには極力
基礎の立ち上がりを減らし、エアコンの風の通りを考えます
![基礎の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/基礎-1024x768.jpg)
基礎の立ち上がり部分は大事な構造になりますが
特に必要がなければ地中梁に構造を変えて基礎の立上りを減らしていきます
床下エアコンを採用の時には設計の構造段階からの検討が必要になります
後戻りができない大事なポイントの一つです
2-2 設置の高さ
床下エアコンを採用した当初は2010年ごろは床下にエアコンを埋めていました
![床下エアコン2010の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/床下エアコン2010.jpg)
これではメンテナンスが出来ません
お掃除ロボの機能が付いたエアコンを床下に入れてました
2012年8月に室蘭工業大学の鎌田教授が大阪に床下エアコンを
見に来てくれました
その当時の様子を書いたブログを紹介します
ここから本格的に鎌田研究所と一緒に床下エアコンを考えました
もう少しエアコンの位置を上に上げて
家の人が手入れをしやすいような床下エアコンを2012年には採用しました
![床下エアコン2012-1の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/65A51423-6960-4567-AC1A-18F05654B9E1-e1572763195759.jpeg)
エアコンが直接見えるがあまり好ましくない場合はガラリの中に入れてます
![床下エアコン2012-2の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/1B9D6442-91B6-4C39-A944-664637D60FB1-e1572763361148.jpeg)
ガラリを開けるとこんな感じに密閉をされています
![床下エアコン2012-3の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/DC2488AB-C039-4C00-8D63-911FE6845C65-e1572766893537.jpeg)
エアコンの下に開口部を設けています
このままエアコンの暖気は床下へ行きます
![床下エアコン ガラリ2012の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/30761A6B-049D-4E4F-974C-29E35451DC09-e1572767020930.jpeg)
床下をチャンバーにしてガラリから暖房が上がってきます
2012年以来この施工のまま床下エアコンを採用してます
性能に関しては床下エアコンを採用する場合は
Q値は1.7以下 C値は1.0以下の性能は確保しないとエアコン一台では無理です
冷房での床下エアコンはやめていたほうがいいです
冷たい冷気は上には上がりません
暖房のみで考えたほうがいいと思います
床下エアコンでの実証実験です
2012年~2013年には鎌田研究所からの依頼により実測をしました
さすがは国立大学の研究所です
各家に12~15カ所ほどの温湿度計を取り付けます
新住協関西支部でも床下エアコンの勉強会を2014年8月に開催しました
3.床下エアコンのエアコンの選び方
床下エアコンはエアコンを囲いますので温度センサーが
エアコン本体ではなく外部についてるのが好ましいです
![床下エアコン リモコンの写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/床下エアコン-e1572769037795.jpg)
この写真はエアコン本体ではなく外部のリモコンに温度センサーがあります
この温度センサーをリビング等につければ
リビングの温度設定でエアコンが動くことになります
エアコン本体の温度センサーの場合は
暖房での暖かい空気がそのまま反応してしまう事が考えられます
なのでエアコン本体でないこ事が重要になります
こらは階間エアコンの場合も同じです
4.床下エアコンと全館空調
![床下エアコンと全館空調の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/40FD03F1-07FE-4FBA-B2D5-7B7861CF5C89.jpeg)
床下エアコンと全館空調を考えると上の図のような感じになります
冬に関しては床下エアコンを使い
暖かい空気が家の中へ入りそのまま家全体を暖房します
特に寒い日のためにリビングに予備のエアコンがあればいいです
夏場に関しては冷房は上には上がりにくいので止めてもいいです
家の高い場所から冷房をして冷たい空気を1階へと送ります
こんな感じで夏の空調を考えれば大丈夫です
5.まとめ
床下エアコンに関しては温暖地域(仙台以南)では有効な暖房だと思います
北海道等では寒冷地用のエアコンがありますが通常のエアコンに
比べると高価なので違った熱源が有効だと思います
基礎断熱の床が床暖熱の床より冷えていたのを
少しでも暖かく快適な床、快適空間にしたいと思い進化しました
はじめは色々な問題点も出ましたが
国立大学室蘭工業大学 鎌田研究所と一緒に開発をして飛躍的によくなりました
施工、実測、検証を繰り返しスタンダードな形になり今現在のスタイルになりました
高断熱高気密の家の空調と相性のいい暖房システムだと思います
色々と工夫をしてみましたので採用例を見てください
大山崎町上の田の家
![床下エアコン大山崎の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/床下エアコン大山崎-e1572771864572.jpg)
物入れの扉のガラリの下が床下エアコンが入ってます
![床下エアコン大山崎2の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/床下エアコン大山崎2-e1572771944161.jpg)
ガラリを開けるとこんな感じに設置されてます
この高さでの設置はお手入れも楽になります
里山住宅博ヴァンガードハウス
![ヴァンガードハウス床下エアコンの写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/11/2016.6.18-60.jpg)
このカウンターの中に床下エアコンがあります
家のちょうど真ん中近くですごく効率よく動いてます
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