高気密高断熱は高断熱高気密?そもそもどんな家?
1.高気密高断熱は高断熱高気密どっち?
高気密高断熱や高断熱高気密、高断熱住宅と一般に呼ばれてますが
元々の名称は高断熱高気密です
この名称は国立大学法人 室蘭工業大学 鎌田名誉教授がまだ大学の研究室に
在籍をしていた頃に高断熱高気密の名称をつけ活動したのがが始まりです
![鎌田名誉教授の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/ダウンロード.jpeg)
鎌田名誉教授
高断熱住宅を造ろうとするとどうしても気密が必要になったので
高断熱高気密としました。気密が先にきたわけでは無いです
家の中を暖房をすると暖かい空気は軽いので上にあがります
この空気を止めないと天井、屋根等から逃げていきます
そこで気密が必要になります
ここから気流止めへと発展していきます
2.日本での高断熱住宅の歴史
1953年北海道防寒住宅建設促進法により、
防寒住宅の金融公庫の融資支援がスタートされます
グラスウール断熱材やアルミサッシの普及が始まりました
その後オイルショックがあり住宅の省エネルギー化の必要性が高まり
産官学(北海道立北方建築総合研究所、室蘭工業大学鎌田研究所、
北海道建築指導センター、北方圏住宅研究会、民間設計事務所、工務店等)
が取組んだ結果、高断熱高気密の工法が確立されていきます
北海道から始まりその後は東北へと伝わりますが
関東以南ではなかなか理解が得られませんでした
![](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/5BB10B97-6B28-4C9A-B258-22DFC3DF748E.jpeg)
国の省エネルギー基準
昭和55年基準 1980年 旧省エネルギー基準(断熱等級 2)
平成4年基準 1992年 新省エネルギー基準 (断熱等級 3)
平成11年基準 1999年 次世代省エネルギー基準 (断熱等級 4)
平成25年基準 2013年 改正省エネルギー基準 外皮+1時エネルギー消費量(断熱等級 4)
平成28年基準 2016年 改正省エネルギー基準の一部改正(断熱等級 4)
断熱基準に関しては平成11年(1999年)次世代省エネルギー基準と変わってません
民間レベルでの省エネ住宅が進んできてます
新住協 Q1住宅、HERT20、パッシブハウス等が
独自の基準を設けて省エネ住宅を引率してます
3.気密工法
気密の考え方に関しては新住協 新在来木造構法マニュアル2002から抜粋します
![気密工法](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2015/04/dimg_06_01.gif)
新住協 新在来木造住宅構法マニュアル2002より
大きく分けてシート気密とボード気密があります
赤色のラインが気密のラインになります
隙間だらけの在来木造住宅を、外壁の上下端を気流止めとして
あらかじめ気密シートを貼ることにより内部結露や木材不朽の問題を解消した工法です
耐震性を考慮して構造用面材が使われるようになり、
壁の構造用面材を気密のラインにすることも近年多くなってます
シート気密工法
気流止めである先貼りシートと防湿層のシートを連続をさせることで気密をとります
主に寒冷地での工法になります
ボード気密工法
床および外壁の構造用面材を気密層にした工法です
主に温暖地での工法になります
シート気密、ボード気密の両方の工法においては設計の段階から考え
施工品質としてはC値を1.0以下の施工品質を保ちたいです
以下のページも参照してください
シート気密 リノベーション断熱の仕方
ボード気密 ボード気密
C値 気密テスト
4.主な断熱工法
断熱の工法は大きく分けて3つです
充填断熱工法と外貼断熱工法それと付加断熱工法です
1.充填断熱工法
壁の中に断熱材を充填していきます
断熱材の主な種類としてはグラスウール、ロックウール等の断熱材があります
充填断熱工法ではセルローズファイバー、ウレタン系の吹込み断熱の工法もあります
![構造見学会20190211-3の画像](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/02/540ADAD9-EB4E-4EB9-A4F6-127AB6C7E22A-e1549871824737.jpeg)
写真は高性能グラスウール16Kを壁に充填してる写真です
こんな感じに断熱材の施工をします。表面に見えてるのは防湿層のシートになります
2.外貼断熱工法
柱の外に断熱を施工します
主な断熱材の種類として
ポリスチレンフォーム系、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム等があります
グラウーウール、ロックウールでも外張断熱工法はあります
![](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/外断熱.jpg)
樹々匠建設様の写真
3.付加断熱工法
付加断熱工法は3パターンあります
3-1.充填断熱+外貼断熱工法
こちらは現在はオーソドックスな高性能断熱になります
外壁に充填をしてプラス外にも断熱材を充填します
この工法なら壁厚300mm断熱材も大丈夫になります
![](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/外付加断熱.png)
3-2.充填断熱工法+内付加断熱工法
壁の中に充填をしてシートより家の内側に断熱をします
シートより内側をあまり厚くは出来ません
この工法のページです 付加断熱です
![](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/内付加断熱.png)
3-3充填断熱+外貼断熱+内断熱工法
壁の中にも充填をして外にも家の中側にも断熱施工をします
100mmの断熱材を使っても合計で300mmにもなります
![外付加断熱+充填断熱+内付加断熱の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/919024E7-474A-44E6-A1BB-C500CF8938A7.jpeg)
南幌町見学会(北海道)
色々な工法ありますが一番大事なのは正しい設計と施工になります
5.これからの高断熱住宅
日本の国土は北から南まで気候が違います
![断熱基準気候区分の写真](https://www.daishinbuild.com/officer-blog/wp-content/uploads/2019/09/s91o2sFzSgesRE75L5Guw_thumb_44c1.jpg)
住宅の省エネルギー基準も地域ごとに基準が決まられています
北海道と九州では夏、冬も気候が違うのでその地域にあった基準が求められます
断熱施工技術に関してはもう確立した物があります
将来を見据えた基準で建築をされるのがいいです
これからの住宅は長期優良住宅の施策等により50~60年は住める家になります
30~40年後に大規模な改修が必要とされると考えるなら
未来を見つめて必要となる性能を考えた方がいいです
具体的にはQ1住宅ならレベル1です。もう少し考えるならレベル3ぐらいが妥当です
Q1住宅は国の省エネ基準に対して4地域以南では4/10以下の暖房エネルギーの家です
もう少し詳しい説明はこちらからダウンロードできます
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。