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家づくりコラム漆喰と珪藻土どっちがいいの?

こんにちは、ダイシンビルドのWEBスタッフ後藤です。
3回続けて無垢材についてのコラムを書いてしまったので、今回は内装の仕上げ材である、漆喰と珪藻土についてお伝えいたします。

そもそも漆喰と珪藻土とは?

漆喰や珪藻土は、自然素材を原料とした塗り壁材の一種です。
内装仕上げに塗り壁を希望される方の多くが、「漆喰」か「珪藻土」を選ばれるほど人気です。
塗り壁材には他にも、石膏プラスターや砂壁、繊維壁などなど、多くの種類があるのですが、現在の主流はやはり漆喰か珪藻土です。
砂壁や繊維壁は一昔前の和室などでよく目にしましたね。

そんな人気の漆喰と珪藻土。
なんとなくよく似たもののような気がしますが、原材料からして全く違います。
分かりやすい違いのポイントはずばり、「自ら固まるか、固まらないか」です。

そもそも漆喰とは?

漆喰は水酸化カルシウム、別名消石灰を主原料としており、消石灰は石灰石を1000度以上の高温で熱した後に冷まして作られます。
冷ました消石灰に、水と糊、繊維を加えたものが漆喰です。

消石灰は、空気中の二酸化炭素を吸収することで、元の石灰石に戻る働きがあります。
面白いことに、壁材として完全に固まった後も、人間の一生を優に超える、100年以上の時間をかけて固まり続け石灰石に戻っていきます。
人の感覚ではさらに固くなっていると言われても全く分かりませんが、実はより固まることで性能が変わっていくのが漆喰の特徴でもあります。

漆喰の原料である水酸化カルシウムは、高いアルカリ性です。
漆喰壁にすると消臭効果やカビや細菌の繁殖を抑える効果があると言われるのは、アルカリ性であることに由来しています。

燃えない素材であることから、古くはお城や蔵の壁材としても採用されている、建築基準法でも不燃材料として認められていることも、多くのお家で採用されている理由の一つです。

珪藻土とは?

珪藻土はその名の通り、原料は土です。
土と一言で言っても、珪藻という世界中の海や川や湖に生息している、不等毛植物に含まれる単細胞の藻類の化石が堆積した土です。
この土を、漆喰と同じように1000度以上の熱を加え、不純物を除去して純度を高めたものが、塗り壁の原料として人気の「珪藻土」になります。

ただし、先にお伝えした「自ら固まるか、固まらないか」の通り、珪藻土には自分で固まる力はありません。
そのため、固化材と言われる材料を一緒に混ぜ、固める必要があります。

漆喰と珪藻土の比較

1:調湿性

内装に漆喰や珪藻土を採用される理由の多くが、調湿性能の良さだと思います。
元々調湿性の一切ないクロスとは違い、湿度を整える性能のある漆喰や珪藻土。
どちらにも優れた調湿性能がありますが、より調湿性能が良いのは珪藻土です。
理由は、原材料の珪藻にあります。
珪藻の表面には肉眼では確認できないほど小さな穴が無数に空いているからです。

湿度が高い部屋では、目には見えない水蒸気の粒が大量に室内を浮遊しています。
この浮遊している見えない水蒸気の粒を、漆喰や珪藻土が吸着したり放出することで調湿するのですが、珪藻土の方が漆喰と比べて圧倒的に穴の量が多いため調湿性能に優れているのです。

2:カビ対策

カビに対する抵抗性は、漆喰に軍配が上がります。
もちろん、珪藻土はその高い調湿性能でカビやダニの抑制力を持ちますが、実は抗菌性はありません。
逆に漆喰は、もともと水酸化カルシウムという強アルカリ性が原料であるため、カビの発生を抑制する働きである抗菌性能があります。

しかし、漆喰は年月をかけて強アルカリ性の水酸化カルシウム(消石灰)から、石灰石へと変化していく中で中性へと変化するため、防カビや抗菌効果は永久ではありません。

3:防火性能

防火性能において、漆喰と珪藻土に違いはありません。
どちらも防火性に非常に優れており、万が一の際にも火が燃え広がりにくい特徴を持つため、建築材料の防火性の中でも、最も防火性が高いとされる不燃材料に分類されています。

4:消臭効果

どちらも高い消臭性能を持っていますが、やはり多孔を持つ吸湿性に優れた珪藻土の方が、消臭効果においても優れていると言えます。
理由は、消臭効果は空気中を漂う水蒸気と共に、吸収することで効果を発揮するからです。
珪藻土は特に水溶性の匂い分解を得意としており、例えば、夕飯の焼肉やたばこの他、ペットの匂いにも高い効果を発揮してくれます。
その上、トイレのアンモニア臭やホルムアルデヒドの消臭も得意としています。

ただし、漆喰もアルカリ性なので優れた消臭力があり、汗臭や皮脂臭、加齢臭や靴の匂い、生ごみ集などの酸性の匂いに強いとされています。
そのため、アルカリ系の匂いである、焼き肉屋やたばこの消臭は珪藻土と比べれば、苦手になります。
ただし、漆喰も水蒸気と一緒に匂いを吸収するシステムは変わりませんので、複合的に消臭してくれることに変わりはありませんし、もちろんホルムアルデヒドを吸着・分解する働きを持っています。

5:耐久性

耐久性は、ゆっくりと石灰石に戻っていく気硬性の漆喰がすぐれています。
水にも強いのが、外壁にも使用できる理由です。

珪藻土は石灰や糊を混ぜて使用するため、漆喰に比べるとやはり弱くなります。
でも、砂壁のようにパラパラと崩れる心配はありません。
水に弱いという特徴があるため、外壁には使用できませんが洗面やトイレで使用する分には問題ありません。

漆喰と珪藻土どっちがいいの?

どちらも自然素材を原料としており、非常に優れた内壁材です。
そのため、どちらがいいとは一概に言えません。

プランを考える際、弊社はまず土地をじっくり見ることから始めます。
土地が違えば光の差し込み方も風の流れも、すべてが変わるからです。
その上で、住まい手さんの暮らし方に合わせたプラン作りを行うのですが、内壁材一つとっても、やはり住まい手さんの暮らし方に合わせて選ぶのが大切です。

例えば猫を飼ってらっしゃるなら、消臭効果の高い珪藻土。
耐久性を重視したいなら漆喰。
湿度の高い地域ならやはり珪藻土。
防カビ・防菌が気になるなら漆喰。
というように、暮らし方は住まい手さんごとに違うのですから、どれが良いと決めず、自分たちの暮らし方に合ったものが良いものだと考えてくださいね。

まとめ

漆喰や珪藻土は自然素材の壁材として非常に人気が高く、昨今のDIYブームと相まって次々と新しい製品が販売されています。
種類が多すぎて、何がいいのか判断が難しくなってきている上、中には結合剤や接着剤・着色剤として、化学物質系のものが含まれている製品も販売されています。
漆喰や珪藻土が持つ本来の力以上の機能性を持つものもあり、家を建てるなら使ってみたいな!と思うものもあるかと思います。
漆喰や珪藻土に限らず家づくりの全てにおいて、環境や暮らし方に合わせてより快適に暮らせるものを選ぶためにも、建築を依頼する工務店に材料1つ迄しっかりとご相談くださいね。

後藤 泉


阪神淡路大震災で自宅が半壊。その後慌てて建て替えた家は、気になる箇所が多く、夏は暑く冬は寒い家でした。そんなことから住宅業界に興味を持ち、ダイシンビルドのWEBスタッフを務めさせていただくようになりました。どうぞよろしくお願いいたします。プロフィール写真は、我が家の愛猫です。