


現代町家にはいくつかのルールがあります。
構造のこと、設計のこと、部材のこと、山のこと...
ルールといっても堅苦しいものではなく、取り組むみんなの「決めごと」のようなものですが、
これが現代町家を現代町家たらしめているものです。
「現代町家」の家づくりを考える上で特徴的なのは、施主自らが模型を動かしプランを考える
事ができるということです。
私たちが推奨するこの模型とは実は、積み木の事です。もちろんですが,ただの普通の積み木ではありません。
様々な検証が行われた【 模型=積み木 】は、明確な構造ルールがあり自由度と自在性の優れたプランが作れます。
これによって施主自らが、よりプランニングに参加し、より具体性のある将来をイメージしプランを描きます。
これまでの家は、「現在家族」を考えてプランニングしてきましたが、これからは「将来家族」をシュミレーションしてプランニングしなければなりません。
まず将来の事をリアリティーを持って考えなければ、住宅は長期優良住宅とはなりません。
将来性を考え、「現代町家」のプランニング方法で具現化する、そういった取り組みです。


むかしの町家を町家ならしめていたのは、接道性と接隣性といわれています。
道に接し、隣家に接して、隙間なくびっしりと建っています。
屋根・軒・格子を連ね、それが調和を生み、独特の美しい景観をつくり出していました。
しかし、現在はそれと同じようには建てられません。
道路後退や隣地境界など、今の建築法規に従わなければならないからです。


法規によって隙間や寸地が生じてしまうのが、今の家です。
この半端な空地(くうち)が、家並みを崩し、不揃いな景観を生んでいます。
建物はポジ(陽)で、残された空地はネガ(陰)にされてきました。
趙海光の現代町家は、このネガ部分に注目し、空地を部屋の一つに取り込む設計を考え出しました。
「空地も部屋なんだよ」と趙さんはいいます。
空地に木や草花を植え、そこを部屋の一部として内部化しながら、
道路側にも開いて、家の前を通る人にもよき印象を与える、そんなあり方です。


現代町家の考えは、設計が標準化されそして明確な構造ルールがあります。
だから、「積み木」で、標準化されながら、それでいて自由度・自在性の高いプラン
がつくれます。
右の「積み木」を用いて、下のプラン4題を生みました。
大阪町家の家づくりの参考に一度ご覧ください。
※使用した積み木は、ベース2種類、ゲヤ4種類。
ほかにKゲヤ(キッチンのための飛び出し浮きゲヤ)と特殊ゲヤ一つに過ぎません。

6Mのベースを軸に3つのゲヤを配すると空地が生じます。空地に木と草を植えます。風通しの良い家の設計プランです。
6ベースを軸にL字型にゲヤを配すると、比較的大きな中庭が生まれます。このゲヤは、「離れ」の趣きを持ちます。
比較的大きな敷地に有効なプラン。家族室(リビング)と寝室を対比的に分離。回廊型プランの好例。
アトリエ・茶室など、家の中に別の機能を持てるプラン。機能が違うので、ずらします。そこに、非日常空間が生まれます。
構造材となる隅柱は、阪神淡路大震災で問題にされた、接合部の断面欠損を避けるため、
現代町家では、通常木造住宅に使われる正角材(断面が正方形の材)ではなく、
120ミリ×240ミリの平角材を「メインスケルトン」として、柱と梁に用います。
4隅の通し柱とそれをつなぐ8本の梁は、120×240ミリの平角材で構成されます。
材のアイテムを絞り込むことで、木材の産地である山と協働し、計画的に在庫することが可能になります。
平角材を用いることで、胴差接合部の断面欠損を大幅に低減できます。
下図は、120角の柱と、120×240角の平角材の、胴差接合部の断面欠損のイメージ図です。
120角の材では、材の断面積に対して接合部の欠損が大きく、それに比較して平角材では欠損部の比率が少ないことがわかります。

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